ウズベキスタン剣道日記【中編】ウズベキスタンでもボコボコにされるの巻。
前編後編に分けてお届け予定でしたが、書いてみると意外とボリュームが大きくなってしまいました。ということで、ウズベキスタンでの剣道セミナーをお届けする中編を追加することに。
剣道セミナー@タシケント
さて何のセミナーに参加していたかといいますと、タシュケントで実施されましたこちらの剣道セミナーでございました。教士八段の大島先生による私的なセミナーで、ウズベキスタンを始めとする中央アジア圏のキルギス・カザフスタンの各国の剣道家が集まっておりました。
・・・・・・。え?聞いてないんですけど。講師、大島先生なの?めちゃくちゃ豪華やん。
実は、お手伝いとだけ聞いて参加を決めたこともあり、私、実はどんなセミナーか事前に把握しておりませんでした。すげえ。これ日本でやっても人が集まるやつじゃない。贅沢〜。
青眼の構えのメリットって?なんで正眼の構えをやめちゃうの?
さあ内容としましては、一日目午前が講義・素振りや打ち込みの指導・審判講習等、午後が午後親善試合として個人戦と団体戦。二日目が、更に基本技稽古や地稽古、形となかなかのボリューム。私もフル参加させていただくことができました。
個人的には、構えに関する講義が非常に勉強になりました。といいますのは、ずっと不思議に思っていた左手を少し中心から外し、相手の左目に剣先をつける「青眼の構え」という中段の構えがあるのですが、「これ、ずっと、左手は中心から外さないとか、左手中心で動かすってよく教えられるのに、反しているんじゃないの?けど、強い人とか高段者はみんなこの構えやんな。なんで?」と、ずーーーっと不思議だったんですよね。
大島先生いわく、高段者になればなるほど、中心の取り合いが更に重要になる。しかし、お互い中心を取り合うのだから、正眼の構え(相手の喉元に剣先をつける構え。おそらく、ほぼ全員が教えられるオーソドックスな中段の構え。)では、なかなか中心をとるのは難しい。更なる上達を目指すのであれば、竹刀の鎬(しのぎ)の作用を利用でき、かつ、竹刀の身幅で中心を取ることができるのだから、「青眼の構え」にすると良い。竹刀の長さもあるから、わずかに左手をずらすだけで、剣先は自然と相手の左目につけることができるから、打つときは通常どおり打てば良し。
ということでした。もう目からうろこうろこ。やっぱり八段はすごいなと。そして、理論を言語化できる、わかりやすく説明もできるという。日本でもなかなか八段の先生から丁寧に指導いただける機会は、一般剣道家にはありませんので、ここぞとばかりに質問しまくってしまいました。お手伝いのつもりで行ったのに、私が勉強させていただくことができました。ウズベキスタンまで来て良かった〜。ありがとうT先生!ありがとうMさん!この日から、私、構えを激変させており、絶賛剣道魔改造中でございます(なお、構えの説明等に関する内容はかなり省略しており、個人的に質問した内容も私自身の解釈も含みます。)
セミナー内容はハイレベルでしたので、大島先生の教えを理解し、実践し、稽古をすれば圧倒的に強くなるぞ、頑張れ中央アジア剣道家!と思った次第です。
北田、3カメ殺しを食らい、ボコボコにされる。
さて試合ですが、個人は2位。・・・・・・なんで1位じゃないのって?キルギスのザキール君にボコボコにされたからです。そして、一本取って、一本取られての勝負で迎えたところ、決勝打となったのは飛び込みゴテ。これだけなら、私もブログにしないのですが、ザキール君のインスタに決勝動画がUPされておりまして。このコテを撮影した3方向の映像付きで。つまり、3カメ殺しをくらう訳です。普通に負けるより悔しい。いや別に悔しくもないけど、デジタルタトゥーを食らいました。ああ恥ずかし。まあしかし、中央アジア大会ですから、日本人が調子乗って1位になるより、中央アジアのキルギスが1位になる方が絶対良いと思うわけです。すごく喜んでたなぁとなんだかこちらも嬉しくなってくるわけです。ここまで剣道に熱くなれるのですから、これからも続けてほしいし、いつか日本にも来てほしいと思いました。楽しく試合ができ、いろんな国の方と剣道交流もできて、私としては大満足なのです。
更に地稽古で、大島先生にかかる機会を頂きましたが、予想どおり、ボコボコにされるわけです。攻めて崩して打つんや!と意気込めば居着いたところを上からパッカーンとメンを打たれ。ほなスピードや、先をとって打つんや!でいけば出端メンに出端ゴテ、返し胴。大島先生の身長は、おそらく160cmほどでは?思うほど小柄な方なのですが、これまた、まあ見事にボッコボコ。寛仁親王杯選抜八段大会にも選ばれ、とちぎ国体では宮崎先生からも一本取る先生ですから、当然のことですね。大島先生は、上記セミナー案内投稿の写真のとおり、ニコニコ笑顔のすごくいい人!なんですが、この外見から全く想像できない、右腕の太さと左足のふくらはぎ。こんなの丸太ん棒じゃない。何これ。中央アジア剣道家たち含め、これはどんな稽古したらこうなるのか?と引いておりましたが、まーえげつない打突力でした。どんな稽古したらこうなるのか?も実際に教えていただきましたが、これは後編で。
後編へ
私としても、非常に学びが多いセミナーで大満足。来年も是非行きたい(プロフとシャシリクもまた食べたいし。)。
後編では、団体戦と剣道家のみんな大好き第2道場・セカンド道場という名の飲み会をお届けします。それではまた。